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「日本アニメ」と
コラボするのか?
北米・欧州・アジアで
見るIP活用事例

なぜ海外の企業が
「日本アニメ」と
コラボするのか?
北米・欧州・アジアで
見るIP活用事例

なぜ世界中でIPとのコラボが増えているのか

「アニメは日本の国内産業だ」

今、そう認識しているとすれば、それはすでに過去の話です。

2024年のアニメ産業市場規模は、前年比約15%増(114.8%)の3兆8,407億円と過去最高を更新しました※1。特筆すべきは、その成長を牽引しているのが国内ではなく「海外市場」であるという事実です。国内市場の成長が1兆6,705億円(前年比102.8%)にとどまった一方、海外市場は2兆1,702億円(前年比126.0%)という圧倒的な伸びを記録しました※2。つまり、今や日本アニメの売上の半数以上が海外で生まれているのです。

この現象を単なる「エンタメの流行」として片付けることはできません。なぜなら、アニメやマンガのIPは現在、企業のブランドマーケティングにおいて極めて強力なコミュニケーションツールとして機能しているからです。

なぜ今、海外で「日本IP」が選ばれるのか?
国境を越えて共感を生む理由

世界で共感を生むIP

日本IPが海外市場でこれほどの存在感を持つ理由は、以下の3点が考えられます。

1. 子供から大人へ——愛され続けるアニメ・マンガ文化

昔はアニメやマンガは「子供が見るもの」というイメージがありましたが、今では30〜40代の大人たちも熱烈なファンになっています。子どもの頃に日本のアニメを見て育った世代が、変わらず作品を愛し続けているのです。

さらに大人になって自由に使えるお金を持つようになったことで、公式グッズを購入したりイベントに参加するなど「推し活」にお金を使うことも一般的に行われています。

また、北米の16〜24歳の若者の間でもアニメはすっかり定着しており、約半数がアニメを見ているというデータもあります※3。北米においても、かつてアニメは子ども向けコンテンツのイメージが強かったものの、1990〜2000年代に日本アニメを視聴して育った世代がそのまま大人になり、現在の25〜44歳の熱狂的なファン層を形成しています。

北米における年代別の視聴割合(2023)
年代 視聴割合
16〜24歳 47% ※約過半数と若年層への浸透度が高い
25〜34歳 37% ※大人になっても視聴し続けられている
35〜44歳 28% ※幅広い年齢層で視聴されている
45〜54歳 22%
55歳以上 13%

 

さらに配信サービスの普及により新たな若年層も取り込み続けており、「子どもから大人へ」という世代交代ではなく、「全年代への拡大」という形で市場が成長してきたと言えます。

こうしたファンは、大好きな作品とコラボしたブランドや商品に対して、とても好意的な反応を示してくれるでしょう。

2. 動画配信サービスによる日本アニメの視聴拡大

Netflixなどの動画配信サービスがアニメの配信に力を入れたことで、世界中で手軽に観られるようになりました。「今まで日本のアニメを見る機会がなかった」という国や地域の人々が視聴することで、一気にファン数が拡大しました。

さらに、単に動画を配信するだけでなく、映画館での上映やグッズ販売、イベントなどもセットで展開されるようになったことで、ファンが作品に触れて楽しむチャンスが着実に広がっています※4

3. 国境を越えて「共感」を生み出すストーリーであること

日本のアニメやマンガは、「友情」「愛情」「勇気」「成長」「挑戦」といった、世界中誰にでも通じるテーマで描かれています。そのため、ファンは文化の違いを越えてキャラクターに深く共感し、感情移入することができます。それにより「作品への深い愛着」が生まれ、企業がコラボレーションをする際に大きな力となります。

こうした理由から、海外に向けて日本のアニメやマンガを活用したプロモーションを行うメリットがあることが分かります。単なる話題作りで終わるのではなく、作品に強い愛着を持つファンたちへダイレクトに届けることができるからです。これこそが、世界中の企業が日本のアニメ・マンガとのコラボに積極的に投資している理由と言えるでしょう。

では、実際に世界でどのようなコラボが行われているのか事例をまとめてみました。

世界に広がる日本アニメ・マンガ!
3つの地域で見るコラボの最前線

北米・欧州・アジアで見るIP活用事例
現在、世界各地で日本のアニメやマンガを使ったコラボレーションが盛り上がりを見せています。その規模や業種は幅広く、今や「どんな業界でも使える万能なプロモーションツール」と言えます。
世界を3つのエリアに分けて、最前線の事例をご紹介します。

北米エリア

北米での成功例として外せないのが、2025年の夏に行われた「MLBロサンゼルス・ドジャース」と『ONE PIECE』のコラボです。

7月3日のホワイトソックス戦が「ONE PIECEナイト」として開催され、来場した先着4万人に特製の麦わら帽子が配られたほか、試合後にはキャラクターたちが夜空に浮かぶドローンショーも実施されました。

さらに、原作者の尾田栄一郎先生が描き下ろした「ワンピースカードゲーム」の限定カードまで配られ、スタジアムは熱狂に包まれました。ドジャースの副社長も「世界中で愛される『ONE PIECE』をファンに紹介できる」と語っており、これは単なるイベントではなく、「お互いのファンを惹きつけ合う」という戦略的なコラボでした。

また、日本のUSJで大人気だった『ONE PIECE』と『呪術廻戦』の体験型アトラクションが、2025年の春にロサンゼルスの「ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド」でアメリカデビューを果たしました。日本で大成功したエンタメ体験をそのまま海外へ輸出する、新しいグローバル展開の形です。

参照元:「ワンピース」&「呪術廻戦」USJ発のリアル体験がアメリカ上陸へ! 25年春の期間限定イベントでデビュー
https://animeanime.jp/article/2024/10/07/86982.html

さらにアパレル業界では、ユニクロが世界の店舗で展開する「UT」ラインで日本アニメを積極的に採用しています。2024年に発売された『ONE PIECE』25周年記念Tシャツのように、「身近なファッション×日本アニメ」の組み合わせは、世界中でファンを増やすきっかけになっています。

参照元:TVアニメ『ONE PIECE』の25周年を記念した特別なコレクションが登場ルフィの冒険の軌跡を描いた8種類のデザイン「ONE PIECE DAY 24」とのグローバルパートナーシップを締結も! – UNIQLO ユニクロ
https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/corp/press-release/2024/06/tvone_piece258one_piece_day_24.html

欧州エリア

ヨーロッパで特に目立つのが、誰もが知る「ラグジュアリーブランド」と日本アニメ・マンガのコラボです。その原点とも言えるのが、「ルイ・ヴィトン」と村上隆氏のタッグです。2003年、当時のクリエイティブディレクターだったマーク・ジェイコブスの提案で生まれた「モノグラム・マルチカラー」は、シックなヴィトンにカラフルでポップな風を吹き込みました。

この関係は今も続いており、2025年には約20年ぶりとなる「Louis Vuitton × MURAKAMI」コレクションが発表されました。お花をあしらったアイテムは瞬く間に完売し、世界7都市でポップアップストアが開かれました。

参照元:【2025年最新版】 ルイヴィトンと村上隆のコラボレーションの歴史と人気アイテムを解説 | ブランドの手帳
https://komehyo.jp/brand-note/article/3639

他にも、「グッチ」が『ジョジョの奇妙な冒険』とコラボした事例があります。同作のキャラクターを主役にした短編マンガが発表され、世界中のグッチのショーウィンドウをキャラクターたちが飾りました。

GUCCI×ジョジョの奇妙な冒険

GUCCI×ジョジョ

写真引用:漫画ジョジョの荒木飛呂彦が描くグッチ(GUCCI)のウィンドウデザイン、全世界で展開 – ファッションプレス

漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦氏が描くGUCCI(グッチ)のウィンドウデザインが2013年に全世界で展開されました。フリーダ・ジャンニーニ氏による、2013年春夏クルーズコレクションにインスピレーションを受けて荒木飛呂彦氏がイラストを描き下ろしました。日本を含め全世界70店舗以上あるグッチ直営ショップでウィンドウが展開されました。

ハイブランドの特等席に日本のマンガが登場したことで、「アニメやマンガは単なるキャラクターグッズではなく、高級ブランドの世界観を高める素晴らしい文化」としてヨーロッパで認められていることが分かります。

もちろん、フランスの「Japan Expo」のようなイベントではグッズが大人気ですし、ヨーロッパの人々にとって日本のアニメは、すでに日常のメインカルチャーになっていると言えるでしょう。

アジアエリア

アジアでは、カフェやコンビニ、ゲームなど、私たちの生活に密着したコラボが次々と生まれています。たとえば、台湾を拠点に活躍する大手エージェント「ミューズ」の事例です。2023年、ジャカルタのローカルカフェで『SPY×FAMILY』のコラボをしたところ、なんと1週間で月平均の約4倍もの売上を達成しました。

参照元:アニメ人気に後押しされ、アジアで広がる商品化ビジネス | 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2024/be07507437869e1b.html

この成功をきっかけに、さまざまな業界で同じようなコラボが定番になっています。大企業だけの話ではなく、地元の小さなお店にも「アニメコラボが大きなビジネスチャンスをもたらす」というよい証明になっています。

中国・韓国・東南アジアの大手モバイルゲームメーカーは、人気アニメとの期間限定コラボイベントを季節ごとの定番マーケティング施策として定着させています。ガチャや限定キャラクター・スキンの配布を通じてユーザーのエンゲージメントを高める手法であり、ゲーム業界においてはアニメIPとのコラボが収益化の標準的な選択肢となっています。

さらに、現地のコンビニや飲料メーカーのコラボキャンペーンも季節ごとの定番になっており、商品をつい買いたくなるような魅力的な仕掛けがたくさんあります。ただし、アジアと一口に言っても、タイ、台湾、インドネシア、中国ではヒットするアニメがまったく違いますし、ビジネスのやり方も異なります※3

だからこそ、「その国や地域で一番喜ばれる形に合わせること」が、アジアで成功するための最大の秘訣です。

このように、業種を問わず、日本のマンガ・アニメIPとのコラボが「有効なビジネス手段」として機能していることが世界の事例から分かります。

重要なのは、ファンが作品に強い愛着を持っていること。それがブランドや商品へポジティブなイメージを付与することにつながることです。

国境や言語の壁を越え、今や世界中の人々の共通言語となった日本のIP。そのポテンシャルを正しく理解し、各国の文化や市場に合わせた最適なローカライズ戦略を描くことこそが、これからの海外展開を成功に導く、強力な武器になるでしょう。

まとめ

日本のマンガ・アニメは、「子供向けコンテンツ」から「全世代が熱狂するグローバル文化」へと転換しました。その過程で生まれた熱狂的なファン層は、好きな作品とコラボしたブランドや商品に対して極めて好意的な反応を示します。

マンガ・アニメIPを活用したプロモーションは、もはや一時的な話題作りではありません。作品に強い愛着を持つ世界中のファンへ、ダイレクトにブランドの熱量を届けられる戦略的な投資と言えます。

これからのグローバルマーケティングにおいて、日本のIP活用はますます欠かせない選択肢となっていくでしょう。

引用・参照元
※1 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC30A480Q5A031C2000000/
※2 一般社団法人日本動画協会
https://aja.gr.jp/info/2579
※3 経済産業省
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/entertainment_creative/pdf/003_04_02.pdf
※4 Yahoo!ニュース / 一般社団法人日本動画協会
https://news.yahoo.co.jp/articles/8b3ea0790a784a206b5f800ad5b749efcde5bc36

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